【絵本の読み聞かせ】こうして息子は、読み聞かせから卒業していった

かなり迷惑な、絵本の読み聞かせスタート!

アナウンサーをしていた20代の頃、
将来子どもが生まれたら
夜寝る前に絵本の読み聞かせをしたいとずっと思っていた。

 

登場人物ごとに声を変えて、
まるでラジオドラマのように情感たっぷりに読み上げたら
きっと喜んでくれるだろうな。

 

 いつかくるかもしれない、そんな情景を想像するだけで
幸せな気持ちになった。

 

 その後結婚して、息子が生まれた。
楽しみにしていた読み聞かせの時間がやってきた。

 

 赤ちゃんの頃は、
声を使い分けて登場人物になりきって絵本を読むと
目を丸くして、手をたたいて喜んでくれた。

 私は息子の反応が嬉しくて
せがまれるまま、読み聞かせを続けた。

 

しかし、幼稚園に通うようになると、何となく反応が変わってきた。

 

 寝る前、ベッドに並んで張り切って絵本を読んでいたら

 「普通に読んで」

 と、言われるようになった。

 しばらくはおとなしく読んではみるものの
何となく物足りなくなってきて
少しずつ読み方を変えていくと、すかさず

 「普通に読んで」

と声がかかる。

 

仕方がないので、登場人物の声は変えず
セリフや会話以外の地の文を、
ナレーション風に読んでみた。

 日本昔話の市原悦子さん風に読んでみたらけっこうウケたので、
調子に乗って、黒柳徹子さん風に読んでみたら

 「うるさいからやめて」

 と言われた。

 それならばと声は変えず、地声のままで
NHK大河ドラマのナレーション風に読んでみた。

 自分ではなかなかイケてると思っていたのに、結果は

 「気持ち悪い」

 だった。これはけっこうへこんだ。

 

こんなことを続けていたら、

 「自分で読むからもういい」

 と言われ、息子は早々に読み聞かせから卒業していった。

 

冷静に考えて、
ラジオドラマや大河ドラマのナレーションは
テレビやラジオ、また、マイクを通して聞くからちょうど良いのであって、
あんな感じの読み聞かせを毎晩横でやられたら
それはたまったものじゃなかったと思う。

 

ほんと、息子よ、申し訳なかった。
ただ、母はとっても楽しませてもらいましたよ。

 

この出来事を、マナーの観点から考察してみます

 

1、マナーは相手への優しさ

→この読み聞かせは、息子に優しくなかった。

 

2、マナーは相手の立場に立って考え、行動すること。

→全然考えてなかった。

 

反省しています。

 

この絵本の読み聞かせが良かったのか悪かったのか

息子は読書が大好きな人間に成長しました。